2017年2月4日土曜日

[7.2] パルスレーダーの基本

Title: パルスレーダーの基本
パルスレーダーとは、
八木アンテナなどの指向性(鋭いほうが良い)を持つアンテナから、パルスを打ち出し、戻ってくる時間から対象物までの距離を、アンテナの向きから方角を測定する装置です。
 
パルスは電磁波なので、光速c (= 2.998 × 10^(8) m/sec) で伝搬します。
対象物までの距離 L [m] とすると、パルスは行って戻ってくるまで往復 2L [m] 動きます。
往復する時間 t [sec] とします。これは人や機械がストップウォッチなどで測ります。
したがって、これを等速直線運動とみなして、
2L = ct
⇔ L = ct / 2   [m]
 
また、往復時間 t は、大体はマイクロ秒が用いられるので、
L = ( 3×10^8 ) ( t × 10^-6) /2
⇔ L = 150t   [m]
としたりもします。
 
ex:
パルスレーダーにおいて、パルスを発射してから物体にあたりその反射波を検知するまでに4 [μsec]要した。物体までの距離を求めよ。
Solution:
L = 150 × 4 = 600 [m]


 
ところで、イメージのレーダーの画面といえば、「距離と方角」が輝点となって表示される画面を想像しますよね。これはすなわち、「極表示」ですよね。
レーダーから得る情報はスコープに表示されます。
そしてスコープには種類があります。

A スコープ: 距離軸と反射強度による直交座標表示
B スコープ: 距離軸と方位軸による直交座標表示および反射強度の輝度(きど)表示
E スコープ: 距離軸と仰角軸による直交座標表示および反射強度の輝度表示
RHI スコープ: 距離軸と高度軸による直交座標および反射強度の輝度表示
PPI スコープ: 距離と方位角による極座標および反射強度の輝度表示


レーダー(RADAR) の性能は、次の項目によって評価されます。

1 最大探知距離
より遠くのものを知ることは大切です。
これは、送信電力を大きくすることや受信感度をよくすれば伸ばすことができます。
(他にも、アンテナの海抜高や地上高をあげたり、利得をあげたりすればよいです)

2 最小探知距離
近すぎる物体も知れないといけません。例えば、大袈裟ですが、10 [m]以内のものを感知できないなんて、木を見て森を見ずというか、森を見て木を見ずというか。これはパルス幅を狭くすれば改善されます。

3 距離分解能
同じ方位にある2つの物体をしっかり識別できる最小の距離のことです。
これも、パルス幅を狭くすればより近い距離で識別できます。

4 方位分解能
同じ距離にある2つの物体をしっかり識別できる最大の角度です。
これはアンテナのビーム幅を狭くするとより小さい角度で識別できます。
パルス幅 1 [μsec] を送信している間は、基本的にアンテナは受信できません。(送信中に受信できない・受信中に送信できないは基本です)
1 [μsec] の間にパルスは 300 [m] 進みます。距離分解能は、1 [μsec]で一往復してくる 150 [m]になりますよね。

 
ざっとレーダーについて書きました。
それぞれのスコープは各自でネットで検索すればでてきます。実物をみてああこれなのかと納得することは大切だと思います。
以上、基本ということでこのあたりで終わります。

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